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執筆者の写真瑞生桜子

稽古がはじまりました。

2年ぶりに、舞台に出演いたします。


モダンスイマーズの蓬莱竜太さんが作るソロユニット

アンカルの旗揚げ公演「昼下がりの思春期たちは漂う狼のようだ」





こちらは、2018年に広島にて蓬莱さん作演出で上演された作品で、

稽古に入る前に初演版の映像を頂き拝見したのですが、座組が持っているエネルギー量は勿論のこと、言葉や音楽や一人一人の生き様に胸を打たれ続け、鑑賞し終わった時には暫く放心してしまったほどに、私の心の襞の深い部分を刺激する作品でした。


稽古二日目に蓬莱さんが仰った”初演をどう超えていくか”という言葉が、コロナ禍での演劇創作という状況も相まって、私の中に響いて聴こえてきました。

まずは自分の役を成立させていくこと、自身のシーンを成立させていくこと、その上で全員一体となって、霧がかった山の頂上をしっかりと見据えて登頂すること。

再演ものに出演する経験が私自身あまりなかったのと、初演版を稽古前に観るというのもやはり初めての経験だったこともあり、どのように自分の役を創っていくのかはとても悩んでいました。なぞってしまっては駄目だと思い過ぎていたのかもしれません。いざ稽古場で相手役の方と稽古をしてみると、それまで頭で考えていたことがスッと晴れてきて、きっと仮に全く同じ動きをしたとしても演者が変われば意味合いは確かに変わってくるのだということに気づかされました。初演版のソジン役を演じられた、李そじんさんの素敵なところを沢山参考にさせて頂きながら、私なりのソジン像を掴んでいけたらと今は思っています。


突然、役についてのお話を書いてしまったのですが、物語の内容と致しましては、とある中学校3年A組の生徒たち24人と大人たち3人の総勢27名で描き出す壮大な群像劇です。

あぁ、こういう子いたなぁ〜!あ、自分こんなだったなぁ〜!と誰もが知っているあの子やこの子が登場しては、あの頃の痛くて苦しくて甘酸っぱい、ちょっぴり恥ずかしいような思い出を呼び起こしてきます。今はもう”大人”になったから、上手にかわしたり目を背けて忘れてしまえるような出来事も、あの頃は”子供”だったから真正面から不器用にぶつかることしか道がないように思えてならなかった。なんて窮屈で閉塞感に包まれた空間だったんだろう・・・それでもあの頃にしか見る事が出来なかった美しい世界は確かにあったんだよな。


今、この年齢になって、もう一度あの世界を見させて頂けるなんて・・・

このお仕事をやっていて良かったと心から思える瞬間です。

もしかすると(もしかしなくても・・・笑)中学生の少女を演じさせて貰える機会なんて今後またあるかないかの出来事だと思っていますので、今の私だから演じられる思春期の少女を丁寧に創っていきたいです。そして、この作品で出会えた仲間と家族との限られた時間を大切に過ごしていきたいと思います。


こういった時勢での公演ですので、元気一杯「見に来てください!!」とは言えませんが、

状況とお気持ちが許しましたら、是非見にいらして頂きたいです。本当に素敵な作品です。



蓬莱竜太ソロユニット アンカル旗揚げ公演

「昼下がりの思春期たちは漂う狼のようだ」

作・演出 蓬莱竜太


劇場 東京芸術劇場シアターイースト

日程 2021年9月24日 - 10月3日


チケットのお取り扱い

■ カンフェティ





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