20年前にスタートしたフジテレビの恋愛バラエティ番組「あいのり」。放送当時、大ハマりしていた姉の影響を受け、小学生だった私も毎週楽しみに見ていました。印象深かったメンバーは、やまじさんかなぁ。画面の向こうにあったピンク色のラブワゴンに、まさか自分が乗り込む日が来るとは夢にも思っていませんでした。
現在フジテレビで放送中(NetFlixとFODは先行配信中)の「あいのり Asian Journey -season2-」第10話から出演中です。
何か新しい切り口で自身の可能性を広げられはしないか?と模索していた一昨年末。「あいのり」のオーディションに参加しました。確か最終面談で「旅・恋愛・自己成長・TVこの四つの割合についてどう考えている?」と聞かれ、素直に答えた記憶があります。芸事にしか興味がない、かなり偏った思考を持っている事。嘘をついても仕方がないので、素直に今の自分についてお話をしました。まさか出演が決まるとは思っておらず決まった時には、かなり驚きました。そしてまず手始めに、出国する日まで、どこの国に行くのかも知らされず、本や音楽プレイヤーなども禁止!という過酷なルールは本当だったんだ!!と衝撃を受け、空港で携帯を没収された瞬間に、覚悟を決めて乗り込んだ飛行機。
まず最初に訪れたのは、ウズベキスタン。
シルクロードのど真ん中に位置し、周りを砂漠に囲まれた二重内陸国。かなり乾燥していて、気候は温暖。旧ソ連の支配下にあった時代の名残で、建築物やレストランのメニューなど至る所にロシアの香りが残っていた印象。公用語はウズベク語で、第二言語は勿論ロシア語。主要宗教はイスラム教で、人口の役90%がムスリム。親日国。
空港について、メンバーと合流するまでの丸2日間は、まさかのホテルに缶詰!!一人で出歩いて何かあってはいけないから、というのが理由ではあったものの、携帯もパソコンも本もない中で、一体何をしようか・・・と途方に暮れながら、唯一持参していたノートとペンを片手にその日感じた事や、観たものを兎に角、書き綴る。その時の日記を読み返してみると、色々書いてあるけれど、どうやら行きの飛行機で観た映画「The Shape of Water」と「Three Billboards」が衝撃的に面白かったようで、延々と感想が書かれてあった。笑
人間は提示された課題がなければ、自分で課題を見つける生き物なのだと体感。何がどう面白かったのか、これでもか!ってくらいに掘りまくっていた。映画に救われた模様。笑
そして2日後、メンバーとの合流日。かつてないくらいの緊張。これから初めましての人達と共同生活をするのだから、どうにかこうにか打ち解けなければ!と気負いながら道路で待機。途中合流という事で、作り上がった空気の中に入っていくのは割と大変かもしれない・・・と懸念していたものの、何せ、一日中一緒にいるわけですし、色々取り繕おうと思うだけ無駄なくらいには過酷な旅なので・・・あっという間にそれぞれの人間性はお互い理解し合えたし、まるで学生時代に戻ったかのように、無邪気な感覚で出会えた仲間達でした。吊り橋効果じゃないですけれど、恋愛という意味でも友情という意味でも、1日の密度はもの凄く高くって、人と正面から向き合う事、結果的に自分自身と向き合う事ができた旅でした。
ウズベキスタンの思い出は、沢山あれど一番印象的だったのは、放送ではカットされていたけれど「Noriko学級」という日本語学校を訪れた事かなぁ。あまりにも無垢な真っ直ぐな眼で、日本に留学する事が夢だ!と語ってくれる少女が美しくって、眩いほどの明るい笑顔で歓迎してくれた子供達の純粋な心に感動して、涙が止まらなかったのです。これは、間違いなく感動の涙。清い心に触れた事で、自身の中にある清くありたいと願う柔らかな心が大いに刺激されたのだと思う。清廉でありたい、といつも思うけれど、無防備な心で生き抜けるほど優しい世界ではなくって、強くなるために自分の心に鎧を被せて生きている気がする。
あ、そうです。この学校で出会った少女の瞳があまりにも印象的で「清澄な瞳」という単語がパッと浮かんできて、そこからインスピレーションを得た話を只今執筆中です。恐らく、TheVanity'sの第5回公演の題材になるかと思われます。どうぞ、そちらもお楽しみに、と言いますか、記憶の片隅にでも置いておいて頂けたら嬉しいです。
なんだか、振り返り日記を書きながら、現在の自分の心の状態とも向き合えているので、やはりとても良い経験をさせてもらったのだと痛感しているところ。物事の捉え方次第で、人生の景色はガラッと変わるのだと思うけれど、気を抜くとすぐに悲観的に見てしまいそうになる自分の弱い心に喝を入れ、すぐに感情的になる幼い自分を戒めながら、一歩ずつ成長していかねばなぁと思う今日この頃。
次に訪れた国はカザフスタン共和国。
北をロシア連邦、東に中華人民共和国、南にキルギス、ウズベキスタン、西南をトルクメニスタンとそれぞれ国境を接する内陸国。カスピ海、アラル海に面している。首都であるヌルスルタン(旧アスタナ)は、近未来的な建築物が立ち並ぶ、大都会。なんと日本人の建築家・黒川紀章さんが設計されたのだそう。気候としてはロシアに程近い事もあり、コートが必要なくらいの気温。食事はウズベキスタンと同じくシャシリクや胡瓜とトマトのサラダ、油たっぷりのスープ等々。胃薬は常備薬!笑 カザフスタンの旅で最も印象的だったのは、湖キャンプかなぁ。キャンプ場へ向かう水上ボートに乗り込みしばらく進むと、あたり一面透き通るように綺麗な湖と真っ青な空が広がり、思わず大声で歌い出していました。笑 こんなミュージカルみたいなこと、現実にあるんですね。本当に突然、衝動的に歌いたくなるのです。旅中は何度かそういう感覚がありました。そして走ること2時間弱。人の背よりも高いススキの水路へ入っていき、見えてきたキャンプ場は、絵画から抜け出してきたかのように、時の流れを感じさせない空間でした。夕暮れ時の空にピンクから紫にかけてグラデーションが広がっていく様は、幻想的で人影すらも美しくって、ずっと見ていたかった。夜、スタッフさんも含めて全員でキャンプファイアーをしたのも印象的だったなぁ。お腹を抱えて笑い転げました。
そして最後に訪れた国はキルギス共和国。
標高5000メートルを越える天山山脈のふもとに広がる山岳と草原の国。“中央アジアのスイス”と称されている。食事はやはり、シャシリクや胡瓜とトマトのサラダ、スープ類がメイン。標高3000Mに位置するソンクル湖でのキャンプは印象的でした。ハイジの世界が目の前に広がっていて、まさに絶景!!馬に乗ったり、ユルタに泊まったり・・・極寒でしたが良い経験をさせて頂きました。シャワーが水しかでないと言うトラブルに見舞われたりしながらも、旅中どんどん逞しくなっていった女性陣は、全く動揺せずに対処。ユルタにネズミが出た際は、なぜかネズミに「みんなが起きてる時に出てくるからあかんねんで!みんな寝静まってから、こそっと出てき!」とかなんとか話しかけながらも、睡魔が勝ち、爆睡。笑 あんな騒ぎになっていたとは・・・露ほども知りませんでした。。。そして、最終的に私はリタイアという形で旅を終えました。真実の愛を私は見つけることができませんでした。しかし、旅を通してその土地の人々やスタッフの皆さん、そして何よりも共に旅したメンバー達と出逢えた事は、私の人生にとって大きな財産となりました。特にメンバーは学生時代の同級生のような感覚といいますか・・・気を張らずに何でも話せる仲間であることはこれからも変わらないと思います。大人になって、こういう友人と出会える機会はなかなかないので・・・有難い事です。
あいのりの旅やプライベートの旅を含めて、昨年は5カ国を訪れました。その国の文化に触れながら、自身の感性を育てたり、ふと立ち止まって冷静に自身と対面したり、英気を養いながら視野を広げられた2018年。大切な人や大切なものっていうのは、きっと自分の人生経験の中で育んだ記憶の足跡みたいなもので”君は大切なんだよ”って意識してあげないと、消えて無くなってしまうような気がします。まずは自分にとって何が一番大切なものなのかに気づくこと、そして気づけたら、どうやって大切に育んであげられるかを考えること。これが一番大切なことなのかな、なんて感じたりして。外国に行かなくたって、日々の生活の中に気づきはいっぱいあるはずで、当たり前の日常を惰性で過ごさずに、一つ一つの出来事や物事と丁寧に向き合いながら歩いていける2019年にしたいな。なんだか、最終的には今年の豊富みたいになっちゃた。笑