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美しき悪。


今月読んだ本の中で印象的だった作品、2冊目は

三島由紀夫著「音楽」(新潮文庫)

内容紹介 (BOOKベースより)

少女期の兄との近親相姦により、美しい“愛"のオルガスムスを味わった麗子は、兄の肉体への憧憬を心に育み、許婚者をも、恋人をも愛することができない。麗子の強烈な自我は、彼女の不感症を癒すべく、懇切な治療を続ける精神分析医の汐見医師をさえ気まぐれに翻弄し、治療は困難をきわめる――。女性の性の複雑な深淵に迫り、人間心理を鋭く衝いた、悪魔的魅力をたたえた異色作。

あらすじの一行目から、なかなかに刺激的な言葉が並んでいますね。

この作品は、精神分析医の汐見和順氏が記した女性の冷感症の一症例に関する手記として綴られていて、弓川麗子という人間を様々な視点からひたすらに分析しているため、読者は医師の視点に寄り添って読むことになり、この麗子という人は一体何を考えているのか?どこまでが真実でどこからが虚構なのか、知りたい!彼女をもっと知りたい!!という心理に必ず陥ってしまうのです。

三島の描く女性キャラクターは、どこまでもミステリアスで温度のない美しさを抱えている人が多いなという印象が強くて、別世界に生きる完璧な美女を想像していつも読んでいました。この作品のヒロイン麗子も、例に違わずミステリアスかつ魅惑的な美女という設定は揺るがないものの、麗子に関しては、彼女の精神性と言動が私の中でとても深く共感できる気がして、もっと彼女の心理を追求してみたい!と強く感じたキャラクターでした。最高に魅力的。ボディメイクを頑張って色々作り込んだら、もしかしてもしかしないかな・・・なんて真剣に考え込むくらいには、心奪われました。

私が感じた麗子への印象、というのは恐らく誰が読んでも同じように感じられるのではないか、と思うと同時に、私だけが彼女の真の理解者でありたい!そうであってほしい!と強く願っている自分もいて、特別な本を飾る場所を部屋の一角に作ってしまったほど...笑

大げさではなく、私の人生にとって特別な一冊となりそうです。

「音楽」という万人が知っている単語の意味を塗り替えてしまう小説。

きっとあなたも、この作品を読んだ後では「音楽」という言葉に対する感覚が大きく変化するはずです。

女性はきっと、好きなんじゃないかな。

男性は、どうなんだろう?

きっと私とは違う観点で読むのだろうなぁ。

どんな印象を抱くのか、聞いてみたいなぁ。


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